WiRES-X / V1.400の問題点

WiRES-X V1.400がリリースされた。
これにあわせて無線機のファームウェアも新しいものが公開され、デジタルスケルチ(DSQ)が無くなり、DG-IDに統一された。
そもそもDSQとDG-IDはほぼ同じもので、違いは設定できる値の範囲くらいである。

従来、DSQを000以外に設定しているWiRES-Xのノードでも、端末無線機からの接続待ち受けはDSQ OFF状態であり、接続要求があると、ノードは自分自身の周波数とDSQの情報を送信し、受信した端末無線機は、その情報に従って周波数とDSQを変更する。
このような動作をすることから、端末無線機からアクセス可能な範囲に複数のノードが存在すると、意図しないノードに接続してしまうことが多々あった。
(周波数まで変更されていることには気づかない方も多いと思う。同じ周波数に変更されるケースがほどんどなので、見た目ではわからない。)

新バージョンでは、通話だけでなく接続待ち受けでもDG-IDが有効になった。
これは、同一周波数に複数のノード局が存在するとき、それぞれのノードでDG-IDが異なっていれば、接続先ノードを指定できるようになる、ということ。
ちなみに、目的のノードが既にどこかのルームに接続されている場合は、ノードに対する接続操作を行わなくとも、手動でDG-IDを一致させるだけで通話できる、という点は従来と同様である。(FT-70DやFTM-7250Dを使う場合など)
この辺りはアナログのトーンスケルチやDCSと同じ動きと考えると分かりやすい。

ただし今回の方式は欠点がある。
まず1つめは、接続したいノードのDG-IDを知らないと使えなくなるということ。
またDG-IDはメモリーチャンネルに記憶することができないので、たとえ分かっていても変更するのが手間である。

この欠点を回避するのが、ノードのDG-IDを00にする(=公開ノード)という設定である。
しかし、この設定をすると、接続待ち受けだけでなく通話もDG-ID=00となってしまう。
つまり、自分から電波の届く範囲に公開ノードが複数ある場合は、目的のノードにつながらないという従来の問題を解決できないだけでなく、DG-IDが00であるすべてのノードから、接続している・していないに関わらず音声信号がWiRES-Xネットワークに流れ込み、最悪、複数のルームで同じ音声が送信されるということになってしまうと思われる。

上記を考えると、無秩序にカバーエリアの広いノードが設置されていることで、WiRES-Xシステムが破綻してきているのではないだろうか…??

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